top of page

予科練生の訓練

予科練生の教育は、徳性を涵養し、体力を練成し、学力を習得して将来航空特務士官として軍務を遂行するために必要な基礎を確立することを目的としていたそうです。

 

飛行予科練習生教程で行われる教育内容は、
航空機搭乗員の専門的知識および技能を習得する前の規則教育と、将来士官となるために必要な素養を身に着けるための教育でした。

 

普通学のレベルは、おおむね現在の高等学校くらいで、とりわけ数学、部地理、化学はそれ以上の、高いレベルの内容だったそうです。

22

予科練生の一日

起床ラッパの音とともに「総員起こし」の号令が発せられ、全員が一斉にハンモックを飛び出し、ハンモックをしまった後、身支度を整えます。
数分後には各分隊ごとに練兵場に集合し、当直の練習生の指揮で号令練習を行いました。

朝礼を行った後、海軍体操を行い、更に各所の清掃を行いました。
 

朝食は食卓が食事を受け取り、居室の食卓に配食、班長とともに食事をした。この食事は民間のものより栄養面などはるかに良かったのですがが育ちざかりの少年たちには物足りないものだったそうです。

 

朝温習と呼ばれる自習時間のあと、「課業整列五分前」の号令により練兵場に集合した後、教室に向かいました。

午前は主に一般科目と専門科目の座学が行われ、午後には主に体育、短艇、武技が教室外にて行われました。
朝から分刻みの忙しさで、移動はすべて駆け足、体力の消耗と緊張で、座学中に居眠りをしてしまう予科練生もいたそうです。

 

課業が終了した後も、夕食まで柔道、剣道などの武技、球技、水泳を行い、常に体力向上に努めたそうです。

 

夕食後は一時間半の自由時間が与えられ、予科練生はこの間に洗濯をしたり、家族に手紙を書いたり、また酒保と呼ばれた売店での買い物などを行い、わずかな休息を楽しみました。


そして就寝前の吊床の準備、清掃を行った後、更に二時間の温習を行いました
温習後、週番練習生が海軍五省を静かに奉唱し、予科練生は姿勢を正して目を閉じ、奉唱を聞きながらその一日の反省をしました。

海軍五省とは?

一、至誠に悖る勿かりしか

真心に反する点はなかったか

 

一、言行に恥づる勿かりしか

言行不一致な点はなかったか

 

一、気力に缺くる勿かりしか

精神力は十分であったか

 

一、努力に憾み勿かりしか

十分に努力したか

 

一、不精に亘る勿かりしか

最後まで十分に取り組んだか

 

 

これは第34代海軍兵学校長、松下元少将によって発案されたもので生徒たちに自らの行動を省みらせ、次に日の修養に備えさせるためのものでした。

 

 

 

© 2023 by Name of Site. Proudly created with Wix.com

  • Facebook App Icon
  • Twitter App Icon
  • Google+ App Icon
bottom of page